胆石日記8

●2012年2月9日(入院)
 入院は9:00、結構早い時間からのお呼びだしだ。朝食の制限は特にないので、チーズトーストにコーヒーを食す。今日は手続き&説明もいろいろあろうから、夫婦二人ででかける。通勤時間帯で電車も混む時間、ぎゅうぎゅう詰めで行くのもいやなので、隣駅から始発の電車に乗り換えて座っていく。京阪天満橋駅からOMMビル地下を通って、徒歩5分。そこここに病院方向への案内板が掲示されているので、初めてでも道は分かりやすいだろう。病院到着。朝早いのに、院前の駐車場はすでに満車。奥に80台駐車可能の立体駐車場があるが、高さ制限が1.55mなので、うちのムーブでは入らない。車で来るなら駐車は近所のコインパークか。

 入院受付で手続き、病室は8階なので8階北側のナース詰め所に行くように指示される。入院手続きの用紙を渡すと、担当ナースのKJM看護師が、病室へ案内してくれた。820号室は病棟のいちばん端にある4人部屋。他の3つのベッドは既に先客で埋まっている。入り口右手が自分のベッドだ。
「後で来ますので、荷物の片づけでもしてゆっくりしててください」
というので、持ってきた荷物を収納する。枕元に小さな収納スペース。高さが3段に区切られているので、ハンガーがついているもののシャツやズボンを吊るには高さ不足。上段にリュックとダウンジャケットを丸めて放り込む。中段に持参した本を並べて、下段は着替えやタオル類。
 収納スペースと並んで、テレビ台+冷蔵庫がある。ちょっとした引き出しと、その中に鍵のかかるセイフティーボックス。貴重品や携帯電話はここに収納する。テレビと冷蔵庫はテレビカードを買って利用するプリペイド方式。ランドリーにある洗濯機や乾燥機も、このテレビカードで使うらしい。使い残した残金は10円単位で返金されるが、冷蔵庫は24時間分を先に引き落としされるので、要注意。

 9:30、パジャマに着替えて待っていると、検温と血圧測定。妻には、箸やコップにごみ箱・スリッパといった当座の必需品をセットにした入院セットに、手術時に身につけるT字帯と腹帯を買ってきてもらう。この間に今日から退院までの大まかなスケジュールを聞く。
 今日は通常通りの生活だが、夜に下剤を飲む。明日は12:00ごろ手術開始の予定で、麻酔をかけてから醒めるまで3時間ぐらいかかる。手術後はこの820号室ではなく、ナース詰め所の向かいの病室で寝るらしい。心電図、酸素マスク、点滴、膀胱カテーテルをつけて監視体制になるらしく、たいそうな装備のワイヤード生活だ。手術の決断はちょと早まったかも、と思ったりするが、早期発見・早期治療に勝るものなしと、どっかで聞いたようなセリフを思い出して、納得する。
 手術翌日は午前中に点滴がはずれて病室に戻る。午前中に水分を飲んで何もなければ、昼ご飯からは通常食に戻るらしい。

 説明後、早速に準備で、まずは剃毛。
「じゃあ、毛ぞりします!」
と言った看護師さんがまず始めたのは、ヘソ掃除。腹腔鏡手術でメインの手術口にはへそになるので、たまってるゴマを掃除するらしい。じょりじょりソリ始められるのかと思っていたところに、オイルををヘソのくぼみに垂らしてゴマを取る。次はお腹を切る部分周囲の産毛を剃る。散髪屋さんで刈り上げの仕上げに使う電動カミソリで、ショリショリ剃っていくのがちょいとこそばゆい。下はどこまで剃るんだろうと思っていたら、おへその下から脚の付け根の近くまではジョリジョリ。おへそは、その後すぐに10:00から入浴。風呂場は浴槽は普通の家庭用ぐらいだが、洗い場は介助者が一緒に入れるぐらいスペースは広くて、天井も高い。30分単位で予約するようになっていて、ナースステーションで自分で予約する。
「手術の後でお風呂に入れるのは、いつですかねぇ」
と聞くと
「4〜5日して許可が出たら入れますが、それまでは身体を拭いて清潔を保ちます」
ということらしい。でも5日も経ったら退院の日なんだけどね。


 食事は時間になるとベッドまで運んでくれるそうだが、各階のダイニングコーナーで食べてもOK。病室で食べたときは、食器とトレーは廊下の配膳台に自分で戻すが、ダイニングにもトレーの返却台がある。ダイニングは、東向きに大きく窓が開いたスペースで、大阪城と生駒山が正面に見え、眺望は抜群だ。面会は病室でもできるが、だいたい皆さんダイニングコーナーで済ませるらしい。自販機、トースター、電子レンジ、給茶器もあるので、付き添いの人と一緒にここで食事をすることもできる。自分で歩ける患者はマイボトルにお茶を汲みに来て病室に持って帰ってたり。

 10:30、ナース室に呼ばれて、妻と一緒に担当医から手術の説明を聞く。外科で説明をしてくれたKKW医師と担当医になるOKB医師。内容はすでに検査結果を聞いた日に聞かされた内容と変わりなく、リスクの説明も同じ。一つ追加情報があったのは、手術中は麻酔も効いていて全く身体を動かさずに数時間を過ごすので、脚に血栓が出来て血管に詰まりやすくなる。よくいうエコノミー症候群に似た現象が起こりやすくなるとのこと。それを防止するために、手術中は脚をマッサージしたり、専用のストッキングを履いたりするそうだ。
 手術の結果説明は、まず付き添いにするらしい。本人は麻酔から覚めたばかりで意識朦朧なので、何を話しても分からず、切り取った胆嚢と胆石を見るのは付き添い役の担当らしい。

 さて、病室に戻って11:00。KJM看護師が足首周りを計りにきた。何に使うのかと思えば先のストッキングのサイズ測定らしい。明日の手術に向けての、今日明日の段取りを書いたメモをくれる。
 前日、昼と夜の食事は普通食。21:00に下剤と眠剤
 当日、朝昼は絶食で水も飲んではいけない。10:00に浣腸してその後に点滴を開始。
 食事の再開は手術翌日のお昼ご飯かららしい。 病院の食事は、一日1850Kcalに調整されていて普通食と特別食があるが、特別食といってもカロリーは同じ、メニューはちょっと豪華になる。一週間単位で変更可能で300円アップ。

 12:00、昼食。食事は部屋まで運んできてくれる。今日のメインは、おひょうの味噌焼きに付け合わせはインゲン豆と人参の塩ゆで、白菜スープ、マカロニとシメジにコーンのサラダはマヨケチャップ味。どれも薄味だ。13:30、妻帰宅。
 14:00、KJM看護師が来て、右手首にリストバンドをつける。患者の番号と氏名、生年月日、性別が書いてあって、バーコードも印字されている。
 16:25、採血、10cc。
 17:30、担当ナースの交代はこの時間らしく、KJMさんからKDMさんに代わる。
 18:00、夕食。メインディッシュは豆腐とグリーンピースのカニカマあんかけ、カボチャと鶏肉の煮物、小松菜のピーナッツ和えは、食べやすいように2センチぐらいの長さに切って、柔らかく茹でてある。最後に日野菜の漬け物、薄味メニューの中で漬け物だけは塩味もしっかりしてて、ちょと嬉しい。

 19:00、麻酔担当医のYNKさんが病室へ。麻酔の説明と簡単な問診をする。やはり麻酔をかけ始めてから、手術を終えて、麻酔から覚めるまでは3時間コースという話だ。
 19:30、KDM看護師が来て検温。36.4度。
 19:45、担当医のOKB医師来。体調どうですかと声をかけて、この後で下剤と眠剤を飲んでもらいますとの説明。
 20:35、下剤:プレゼニド12mg×2、眠剤:レンドルミン0.25mg×1。
 今日の予定はこれにて終了。テレビで秘密のケンミンショーをちょいと見てから寝る。

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