マックナイトのシルクスクリーンの２枚目。ミコノス島は、エーゲ海に浮かぶ島の一つ。真っ白に塗られた壁と、青、緑、赤などのカラフルな扉や手すりがコントラストをなす、地中海カラーの島である。ミコノス・ハーバーは、この島を題材にした、一連のマックナイトのシルクスクリーンのなかの一作。丘の上からミコノスの湾を見下ろす構図で、画面左から中央に向かって湾曲して長く伸びた突堤、カト・ミリの丘に並ぶ４基の風車、建物の四辺が正しく東西南北に向いて建てられたパラポルティアニ教会など、ミコノス島のビューポイントが見事に盛り込まれている。
この時の展示即売会でいくつか並んでいたマックナイトの中で、この絵だけが抜きんでていた。買うときに「これしかないですね」と言ったのを覚えている。まさか何年か後に新婚旅行でここにいく羽目になるとは、当時は思いもしなかったころである。実際に行ったミコノス島は、あくまでも「青い」ではなく「碧い」の文字をあてたくなるような空と海。マックナイトが眺めたとおもわれる湾を見下ろす丘に登ったが、目に映る光景は絵とはいささか異なるものだった。まあ、写真じゃないんだし、ミコノスのイメージが確実に伝わるのは間違いない。湾をバックに二人で並んだ写真は、リビングの一等地に掲げてある。
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