無線ルーター導入記

<接続環境>

導入時期 2002年8月1日
インターネット接続  NTTフレッツADSL、1.5Mbps 
ルーター&無線LAN親機 PLANEX製 BLW−03FA 
無線LAN子機(ノートPC用) PLANEX製 GW−NS11H

複数のパソコンを保有するとネットワークを組みたくなる。プリンタや外部記憶装置も共有できるし、インターネットできるパソコンが一台しかないときなどは、あっちのパソコンにダウンロードしたファイルを、こっちのパソコンで見るとかいうのもLANなら簡単だ。いちいちフロッピーにファイルをコピーしたり、自分宛てにe-mailで送ってそれを受信するなどという不格好なこともせずにすむ。ただ、そうはいっても家庭内でLANケーブルを這わせるというのは目ざわりなものだし、とくに会社と自宅の間で、持って行ったり来たりするノートPCの場合は、いちいちHUBからケーブルを引いて接続するのも面倒なのだった。

そんな貴方に無線LANということで、以前から導入したかったのだけど、価格も高いしどうせならブロードバンドにしてルータで複数のパソコンからインターネットできるようにしようと思っていた。ADSL導入後に本格的に物色しだして無事導入できたので、このページではルーター&無線LAN導入記として掲載する。

検討の対象にしたのは、IO−DATA、Buffalo、NEC、京セラあたり。導入キットとかいう名前で、ルータ+無線LANカードがセットで売られている。機能と値段とで比べて、結果的にPLANEXのBLW−03FA−PKという製品にした。無線LANの親機兼ルータと、ノートPC用の無線LANカード一枚がセットになっていて、有線用のLANポートが三つに、プリンタサーバー機能もついている。ちょっと前のモデルということもあってか、ナニワ電機のインターネット販売で、¥20,510。これだけの機能のついた機器としては格安だと思う。ちなみにsofmapのインターネット販売だと¥26,799なので、無線LANカードが一枚が余分に買える値段だ。入金してから翌々日の午前には商品が届いたので、対応も早かった。そんなに有名ではないメーカーだけど、機能も十分で価格も安くお買い得商品だったと思う。

<機器の設置状況>  
我が家は3階建ての一戸建てで、ガレージがある鉄筋の一階に、木造の2階と3階が乗っているという、よくある構造。無線LANの親機は、2階に置いているデスクトップのパソコンのところ、ADSLモデムの隣に置いている。アンテナは2本あって自由に向きが変えられるので、一本を垂直、もう一本を水平にセットしている。これはマニュアルのアドバイス通りで、アンテナからは同心円状に電波が出るので、こういう向きにしたほうが電波のカバー範囲が広くなるのだそうな。

<導入その1:ルーター設定>  
まずは無線LANはおいといて、ルーター経由でのインターネット接続の設定。BLW03FAと有線で繋いだデスクトップ機(コンピュータ名:goose)からブラウザ(IEの6.0)を起動して、192.168.1.1に接続(ルータのアドレスはこれに固定されている)。パスワードを入れるとルーターの設定画面が表示される。LANの設定、WANの設定、DNSの設定をすれば、最低限度の動きはOK。

フレッツADSLを導入した時にプロバイダからもらった設定情報を引っ張り出してきて、WANの設定、DNSの設定を行なう。LANの設定はDHCPを有効にして、パソコン側ではネットワークコンピュータの設定で各パソコンに固定のIPアドレスを振っていたのを、IPアドレスを自動取得するに変更。再起動した後は、あっけないぐらい簡単にインターネットに繋がった。ブラウザ(IE6.0とネットスケープ4.78)によるホームページ閲覧、WS-FTPでのファイル転送、Air Craft によるニフティの巡回、Beckeyによるメールの送受信の全てOK。

<導入その2:無線LANの設定>  
無線LANの設定にはWEPという暗号化の機能があるのだが、とりあえずこれは使用せずに使ってみる。無線で情報を飛ばすので、ホントをいうと悪意を持った人が近くにいたら、ウチのパソコンの情報が見え放題、ファイルの共用などをしていれば侵入&破壊もされ放題なんだが、最初は最低限の設定から始めた。 会社と自宅の間で持ち歩いているPanasonicのノートPC・CF−L1に、無線LANカード・GW−NS11Hを差し込んで電源を入れる。プラグ&プレイなのでカードを自動認識し、デバイスドライバの設定画面が開くので、付属のCDからインストール。無線LANの設定も、マニュアルどおりで楽勝。唯一戸惑ったのはESS−IDの設定。親機・ルーター側の設定では「ESS−ID」という言葉になっているのだが、子機の無線LANカードの設定では「ネットワーク名」という呼び名になっている。子機のマニュアルをよく読むと、ネットワーク名=ESS−IDということが分かるのだが、全部ESS−IDという言葉で統一して欲しいものだ。

<接続状況>  
有線でルータとつないでいるgooseの方は今までと特に変わりなし。ルータとADSLモデムを常時あげっぱなしにしているので、パソコンの起動後にフレッツ接続ツールを立ち上げて接続作業をする手間がなくなり、インターネット接続がお手軽になった。フレッツ接続ツールの起動と接続処理にはけっこう時間がかかっていたので、これは快適。無線でつないでいるCF−L1の方は、3階の和室に入って引き戸を閉めても通信できる。もちろん2階の隣室なら全然問題ない。1階はガレージと風呂場では試していないが、ウォークインクローゼットならぬ箪笥部屋になってる3畳のスペースでは問題なく繋がった。タスクバーのアイコンを見ると、3階と1階では電波の状況が最良の100%に対して、60%〜50% ぐらいになるが、実質的には通信に支障はない。と、まあ全般的には順調な仕上がり。

プリンタサーバーの機能もけっこう重宝している。今までプリンターを共有する時には、プリンターのつながっているパソコン(goose)の電源が入っていないといけなかったので、ノートPCで作業をして印刷する時には、gooseの電源を入れて、立ち上がるまで待たなきゃならなかった。また家族の誰かがgooseを使っていると、こっちがいざ印刷しようというときにシャットダウンされてしまって、再立ち上げなんてこともあった。プリンタサーバーの機能を使うと、ルータの親機は常時電源オンなので、いつでも好きな時に印刷できるようになる。

そうはいっても、全く問題がなかったわけじゃなく、ちょっと困ったのが次の点。

<障害その1:ほかのコンピュータが見えない>  
ネットワークコンピュータのアイコンをクリックしても、gooseからCF−L1が見えないし、CF−L1からもgooseが見えない。それぞれのパソコンからインターネットには接続できるし、BLW03FAに接続したプリンタは使えるので、HUBやプリンタサーバとしての機能はOKだし、無線LANの機能もOKらしい。さらにもう一台、妻の使っているDynabookがあるのだが、これとPanasonicのノートの間は相互に見える。ネットワークの設定がおかしいのかと思って、3台のパソコンを並べてTCP/IPの設定を見比べたり、TCP/IPを入れなおしたりしたが、どうにも分からない。 

いろいろやって分かったのは、BLW03FAのDHCP機能で割り振るアドレスの範囲と、gooseに導入しているウィルスバスター2002のパーソナルファイアウォールの設定で「信頼できるコンピュータの設定」の関係があっていなかったこと。BLW03FAのDHCP機能では、LAN側のパソコンに割り振るアドレスが、デフォルトで192.168.1.100〜199となっている。今までは、gooseが192.168.1.1、CF−L1が192.168.1.2、Dynabookが192.168.1.3に固定していたので、VB2002の「信頼できるコンピュータの設定」もこれらのアドレスを個別に指定していた。ところがDHCPを使いだして、各パソコンのIPアドレスが192.168.1.100から振られるようになったので、VB2002の設定で「信頼できるコンピュータ」のIPアドレスの範囲から外れてしまい、gooseと他のコンピュータの間ではお互いが見えなくなったということらしい。

<障害その2:インターネットへの接続速度が遅い>  
以前は1.0〜1.1Mbpsぐらい出ていたのが、BLW03FA導入後は550kbpsぐらいになってしまった。まぁ、これで使っていてもそんなにストレスは感じないのだが、スピード測定するサイトで計ると、半分ぐらいの速さになってしまったのが数字で出るので、気持ちよくない。これについては、MTUなどの設定を変えることで、従来どおりの1Mbps程度の速さに戻すことができた。といっても自分でシコシコと設定を触ったのではなく、BLW03FAにおまけで付いてきた「驚速ADSL」というソフトを入れただけで、設定もこのソフトにお任せ。ADSLを導入したときには、このMTUとかRWINの設定も一生懸命やったのだが、過ぎてしまえばこういうパラメータの調整をやったことすら忘れてしまう。我ながらいい加減なもんだ。

ともあれ、3台のパソコンからインターネットができる、お互いが見えて資源の共有ができる、通信速度も従来と変わらず、で満足。今のところの難点は、CF−L1からメールやHPを見たりするときに、一発でつながらないことがあること。だが、このノートは社内のいくつかの事業所のLANにつないだり、ダイアルアップでイントラネットにつないだりするために、TCP/IPの設定が結構いろいろと入っているので、このへんが悪さしてるのかもしれない。Dynabookは機嫌良く繋がっているのでね。IEならF5キーで再読み込みしてやれば、ほぼ100%接続できるので当面このままいこうと思っている。

<障害その2のその後>
2003年4月にノートパソコンを新しくして、WindowsXPモデルになった。で、最近、スピード測定のサイトで調べると、1.2Mbpsぐらい出ていて、「かなり速いです、おめでとうございます」てなコメントがつくようになった。また、一発でつながらないとかいう現象も出なくなったので、やっぱり新しいO/Sの方が、最初からブロードバンドにあった設定になっているのかな、と思っていたら、gooseの方でも1.2Mbpsぐらい出る。どうも今年2003年に入ったあたりから、なにやらうちの近所の通信環境が良くなっているみたい。NTTが何かやったのかどうか分からないけど、まぁ速くなったのは文句も言うまい。

2003/4/23更新


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